演 題:茨木のり子の詩作「りゅうりぇんれんの物語」の朗読と、持続可能な善隣友好世界について
📅 日時:2026年1月22日(木) 14:00〜15:30
講演会概要
茨木のり子の長編詩「りゅうりえんれんの物語」を朗読させて頂くことになりました。 昭和19年、日本軍により中国・山東省から日本に強制連行され、北海道の炭鉱から脱出し、13年間にわたり道内を逃避し保護され、その後、生地の山東省に生還した中国人農民・劉連仁に纏わる茨木のり子の叙事詩です。全編の朗読には40分となる長編作です。1人の華人労働者としての連行された顛末を通して、詩人茨木のり子が伝えたかった戦争の本質をじっくりお聞きください。
朗読する私も戦争被害体験者です。昭和20年当時、千駄ヶ谷に住んでいた1歳半の私は、3月の下町の大空襲と5月の山手大空襲を、母に背負われ奇跡的に生き延びました。その体験は自分の記憶の深いところに刻み込まれた。それは、子供の頃から暴力に対する、とりわけ戦争に対する援護観となったと思われます。昭和43年、慶應義塾大学卒業後、アナウンサーとして入社したフジテレビの「小川宏モーニングショウ」に、アシスタント司会者をしていた時、あまりにも杜撰なベトナム戦争レポートをする出演者を批判したことがきっかけで番組を降ろされることになり、後にフジテレビ当局と全面的に対決する事態となりました。
当時は高度経済成長の真っただ中で、米国を追い抜くぞ!とばかり、国中が沸き立っており、テレビはその先頭に立って人々を振り立てていました。その結果、地球環境の汚染と破壊が急速に進み、世界各地で生き物の生息環境の劣化を招き、おびただしい種の絶滅が進行しました。人間社会はマネー獲得競争に浮かれていました。加速するグローバリズムにブレーキをかけ、人類社会の進行方向をマネーから命へとシフトしなければと真剣に思いました。しかし世の中の流れを変えるなど、至難の技。地球に迷惑をかけない 少しでも地球が喜ぶ生き方を実践するためにテレビ局を辞め、房総の100年前の古い家屋に移住し、家族の食べ物を自給する暮らしに入りました。自然と一体となった暮らしは心地よい心身に健康をもたらし、魂が安らぎます。
しかしその「平和」を現代人が脅かしています。この国で戦後80年間、まがりなりにも保たれてきた平和が足元から崩れ去ろうとしています。今こそ言葉を超えた平和の実践をやるべき時です!「りゅうりえんれんの物語」の朗読の後の時間については、国際善隣協会の皆さまと、戦争と平和について、またいわゆる持続可能な善隣友好世界について、語り合いたいと思います。この講演会が真の平和の構築のスタートとなることを願うばかりです。
PS: 「劉連仁裁判」・・劉連仁は一九四四年に日本へ強制連行されました。北海道の炭鉱で強制労働させられていたとき、非人道的な扱いに耐えかねて逃亡。終戦を知らず十三年間も山中に隠れ、五八年に地元の人に発見されました。同年、中国に帰国。九六年に提訴し、二〇〇一年七月の一審の勝訴判決を聞くことなく、前年九月に八十七歳で亡くなりました。こうした史実についても紹介したいと思います。
講師プロフィール
昭和20年、東京大空襲を幼くして経験し、戦争の暴力に対する強い問題意識を持つ。
慶應義塾大学卒業後、フジテレビにアナウンサーとして入社。「小川宏モーニングショー」アシスタント司会を務める中、ベトナム戦争報道のあり方をめぐり番組を降板。以降、報道姿勢をめぐって局側と対立した経験が、その後の“平和を語る使命感”の基盤となる。
高度経済成長期の価値観に疑問を抱き、「地球に迷惑をかけない生き方」を目指してテレビ局を退職。房総の古民家に移住し、自然と共生する自給的な暮らしを実践。以降、環境・平和・生命尊重をテーマにした講演や執筆、朗読活動を続けている。
講演会参加について
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