演 題:戦略的パートナー 日本とモンゴル
📅 日時:2025年9月4日(木) 14:00〜15:30
講演会概要
1.外務省のモンゴル専門家となるべく採用され 50 年。両国は、かつて戦争、敵対関係を経て本年天皇皇后両陛下が訪問するまでに関係が発展した。
2.講演者は、50 年にわたり両国関係の発展に尽くし、今回の両陛下の御訪問に際して閣議決定により天皇陛下のスポークスマンとして随行した。講演においては,概略以下についてお話したい。
○モンゴルという国の歴史と過去の日本との関係〜元寇、ノモンハン事件、戦後抑留、外交関係の樹立まで
○社会主義時代のモンゴルと日本、民主化支援
近くて遠い国から近くて近い国へ、モンゴルの発展を支えた日本、親日国家となり戦略的パートナーシップに発展するまで
○中露との関係とその狭間で苦悩するモンゴル 豊かな資源は中国に輸出、石油はロシアに依存 、第三の隣国日本
○ODA が果たした役割と今後の両国関係の展望
経済連携協定は結んだが進展しない経済関係 、天皇皇后両陛下御訪の意義
講師プロフィール
1975年に中央大学卒業後外務省に入省。英国リー英国リーズ大学、
モンゴル国立大学に留学。
1977年からの最初のモンゴル勤務の後1989年、2002年、2011年と
計4回在モンゴル日本国大使館に勤務。最後は特命全権大使を5年務めた。
また、外務本省中国・モンゴル課でモンゴルを担当。社会主義時代、
民主化時代、経済発展期のすべての段階を直接体験した数少ない日本人。
外務省人生の過半をモンゴルとの関係強化に費やした。
在モンゴル大使時代には、新国際空港建設、医科大附属病院創設、
以上
1000人の工学系人材育成円借款、草の年無償500件達成、査証の簡素化、経済連携協定
(EPA)の締結等の重要案件を実現させ、両国の関係強化に尽力した。
また、モンゴル国内や日本で数多くの講演、インタビュー、寄稿、論文執筆等をこなし、率直に
モンゴルに対して発言し、両国の真の相互理解増進のために努力している。労働功労赤旗勲
章、北極星勲章、教育功労者賞等モンゴル政府の叙勲多数。モンゴル大使在任中3回にわたる
安部総理のモンゴル訪問や皇太子殿下のご訪問、更には、今回の天皇皇后両陛下のモンゴル
訪問への随行、歴代モンゴル大統領や首相などモンゴル要人の多数回にわたる訪日を裏で支え
た。
モンゴル関係以外としては、在米国大使館(領事部長)で9.11対応の前線で対応した。在カナ
ダ大使館(広報担当官)では日本総合紹介週間や学校訪問、オープンエンバシー計画の実施な
ど相互理解の推進に貢献した。外務省本省では、国際法規、国際広報、領事、国連、ユネスコ、
官房(職員の福利厚生)、外務省外では内閣官房(危機管理)、(財)フォーリン・プレスセンター
(外国人記者への取材協力)等での幅広い勤務経験がある。
モンゴルとの関係強化に貢献した人物としてテレビ朝日の世界で有名な日本人「モンゴル版の
第5位」(2018年11月24日放送)で紹介された。
(参考)
清水武則 経歴
1952年 大分県九重町飯田高原出身
1971年 別府鶴見丘高校卒、
1975年 中央大学法学部卒、同年外務省入省
以降、本省ではアジア局、条約局、領事移住部、総合政策局、文化広報部、大臣官房
本省では、在英大使館、在モンゴル大使館(計4回)、在カナダ日本大使館、在米大使館に勤
務、大臣官房福利厚生室長、国際文化協力室長を経て、2011年にモンゴル駐箚特命全権大
使に就任し2016年11月に外務省を退職
2017年~現在 千葉工業大学審議役、特別教授
2018年~2023年 中央大学商学部特任教授(国際関係論、ゼミ等担当)
2017年~2025年 外務精励会理事
2022年~現在 日本モンゴル交流協会理事長