演 題:第4回21世紀アジア塾講演会「日本統治下の台湾で大きな貢献をし、現地の人々 に今も尊敬されている二人の日本人の功績を紹介し、今日の日台関係ついて考える」

📅 日時:2025年8月22日(Fri) 14:00〜15:30

👤 講師:北野 雅教氏
🎓️肩書:当協会常任監事
🎥 開催形式:会場開催(オンライン同時配信あり)

講演会概要

私は、商社で長期間に亘り中国との仕事に関わってきました。
台湾には香港研修生時代に 3 度旅行し、その後も仕事で何度も台湾を訪問したものの、日本が統治していた時代のことについては、ほとんど知識がありせんでした。商社退職後、2011 年、2014 年、2015 年、2019 年、2024 年、2025 年に台湾を独りで旅行し、台北の他、台南、台中、高雄、嘉義、花蓮、基隆、宜蘭などを歩き回り、現地の人々の生活ぶり等を見て台湾グルメも楽しんできました。
2019 年にある雑誌で烏山頭ダムを建設した八田與一氏のことを知り、台南に近い現地を訪問しました。若い八田氏が日本統治時代に当時東洋一のダムを建設して台湾南部を穀倉地帯に変貌させて食糧生産の増大に貢献したことを李登輝元総統が「台湾の大恩人」と紹介しています。
今年 5 月に台北を訪問した際に、伊藤忠台湾の董事長にお願いして宜蘭で開催された西郷隆盛の曾孫の西郷隆文氏の薩摩陶縁記念館の設立記念パーティーに同行させていただきました。西郷隆盛の長男、西郷菊次郎、西郷隆文の祖父の兄弟は台湾総督府宜蘭県宜蘭支庁長官として、7km の堤防建設を指揮して、こちらも民生の安定、食糧生産の増大に大きく貢献しました。薩摩陶縁記念館は、現地の事業家が土地と建物を提供し、記念館には陶芸家である西郷隆文氏から買い取った多く薩摩焼を展示していました。
善隣協会の会員の皆様は中国、特に満州での体験や知識の深い方々が多いと思いますが、日本統治時代の八田與一、西郷菊次郎の功績をご存知ない方々もいらっしゃると思い今回講演を引き受けた次第です。
この機会に、過去の日本による台湾統治と満州統治の比較、今日台湾、中国の人々にどのように受け止められているのか。
また最近「台湾有事」なる危機を煽るような喧伝を多く見かけるが、これについても会員の皆様と議論出来たらと思います。

講師プロフィール

1975年: 大阪大学経済学部卒業後、伊藤忠商事(株)に入社、原油部に配属
1976年8月~78年9月: 人事部海外研修生 (香港大学、中国語)
1978年9月: 本社中国室勤務 (79年4月~9月中国長期出張)
1979年10月: 北京事務所勤務
1982年4月: 本社中国室勤務
1984年6月: 伊藤忠アメリカ会社勤務 (ニューヨーク駐在、中国貿易・開発担当)
1991年5月: 本社海外企画統轄中国チーム勤務
1993年3月: アジア総支配人付 (香港駐在、中国と華僑・台湾ビジネス開発推進)
1997年4月: 伊藤忠(大連)有限公司総経理 (大連駐在)
1999年5月: 本社海外・開発部アジア・大洋州室室長代行
2001年4月: 本社業務部海外業務室室長代行
2002年4月: 伊藤忠(中国)集団有限公司経営企画部長 (北京駐在)
2004年4月: 中国経営企画部長 (上海駐在)
2006年4月: 伊藤忠(中国)集団有限公司総経理 (兼)中国経営企画部長 (北京駐在)
2008年4月: 伊藤忠商事(株)審議役 中国総代表補佐 (兼)中国経営企画部長 (北京駐在)
2011年4月: 帰国、6月退職
2011年4月~2015年6月: シーアイ化成(株)常勤監査役
2015年6月~2024年6月: 東京コスモス電機(株)社外監査役、社外取締役監査等委員

伊藤忠商事(株)に勤務した36年間で海外駐在は27年。主として中国とのビジネスに取り組んだが、毛沢東死去直後の香港での中国語研修を経て、中国が改革開放路線により飛躍的な経済成長を達成する現場で仕事ができたことは感慨深い。

国際善隣協会には 2016 年に入会し、10 年経ちました。

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